音楽家へのインタビュー クラシックギタリスト益田正洋様

実際にバラトレを活用している音楽家の方にお話しを伺いました。
クラシックギタリストの益田正洋様のインタビューです。

益田正洋様 プロフィール

クラシックギタリスト長崎県出身。1989年第21回クラシカルギターコンクールにて史上最年少で第1位。92年東京国際ギターコンクール入賞、2000年ジュリアード音楽院入学などの経歴を持つ。 またこれまでに約30枚のCDをリリース。そのほとんどが「レコード芸術」誌特選盤に輝くなど高い評価を得ており、有名レコード店にて好評発売中。現在、ソロ、室内楽はもちろん、美術史家とのコラボなど意欲的な活動は多岐にわたる日本を代表するギタリストである。

ホームページ: http://www.masahiromasuda.com/

目次

ギターとの出会い、天才少年?

〜ギターを始めたきっかけはどんなだったのですか
両親ともにギターを弾いていたので、身近にある環境でした。母より4歳の頃から手ほどきをうけ4歳の時には発表会に出ていましたね。その後、小学校から高校まではギター教師である父から指導を受けていました。

〜コンサートプレーヤーになるまでの経緯を教えてください。
そういった環境だったので小学4年生から大人に混じってコンクールに出場していて中学1年に優勝していました。でもその後は、なかなか一位を取ることができず、家ではうまく弾けるのに本番になるとミスをしてしまうのが悩みでした。
親の方針で音楽大学ではなく一般大学に通いギターの演奏活動を続け、年に1回のリサイタルは欠かさず開催していました。この頃でも本番で練習通りに弾けない悩みは解消できず、大学を卒業した後、アメリカのジュリアード音楽院に留学しました。

ジュリアード音楽院では成果が、、

〜ジュリアード音楽院はクラシック音楽の最高学府ですね、そこに入学するのは大変だったのでは?
当時の教授のシャロン・イズビン先生には入学以前に他の講習会を受講して面識があり、その時点ですでに入学はほぼ許可されたので心配はなかったです。

〜すでに素晴らしい演奏力だったのですね。ジュリアード音楽院ではどんなことを学ばれましたか
ジュリアードに留学してもギターのテクニックについては特にメリットはありませんでした。
それより、言葉を使って意思を表示することを学びました。
シャロン先生のレッスンでは「楽譜を読み込む」「どうしてそのように弾くのかを言葉で説明できるように」なることを指導してもらいました。ディスカッションやプレゼンといったことの力がつきましたね。

あがり症を克服

〜ジュリアード音楽院時代には本番で力を発揮できるようになったのですか?
学内でのコンサートやコンクールを受けたりしましたが思ったような成果は発揮できないでいました。なんとか解消するために繰り返し練習ばかりしていましたね。集中しすぎていることに気がついていなかったのですね。「本番で思ったような演奏をできるようにする」ということに関して留学しても効果はありませんでした。

〜ではどうやって今のような素晴らしい音楽家になれたのですか
25歳で帰国して、一人でじっくり考えてみました。幼い頃からギターを弾いていたので、案外、基礎について培われていないのでは、と思いエチュードを片っ端から練習してみました。日々、基礎練習と取り組み「指をコントロールする」ことに注目しました。
実は20歳くらいの時に舞台で指が震えコントロールすることができなくなったことがありました。それがトラウマになり、ギターは好きなのですが、舞台で弾くことは苦痛でした。その感覚を解決できたのは34〜5歳の頃ですね。
基礎練習をすることによってだんだん安定して弾けるようになり、舞台でもコントロールできるようになっていきました。舞台での演奏を録音して、録音と自分の演奏のイメージが近づいていくにつれだんだん自信がついていきました。
だれからもアドバスを受ける機会がなく、メンタルトレーニングの本もたくさん読みましたが精神論だけでは解決できないと思い、一人で苦労して研究していました。

アレクサンダーテクニークとバラトレ

〜そんなご苦労があったのですね。小さい頃から輝かしい経験を積んでいらしたのかと思っていました。コンサート活動で、すでに大活躍されていうる益田さんがこのボディーマッピングに興味を持ったのはどうしてですか?
それでも、まだ、家と同じように「本番でもうまく弾ける」という差が埋められていませんでした。今まで「練習法」についてばかり考えていましたが、スポーツ界では「身体の使い方」が話題になることが多くなり、もしかしたら演奏も「身体の使い方」が関係するのかも?と気がつきました。ジュリアード音楽院でもアレクサンダーテクニークの授業はあったのですが満席で受講することはできませんでしたが、そういった方法があることは知っていました。
日本でも井桁さんが身体の使い方の講座を持っていることは知っていましたが、自分でもっと研究してからと思っていました。でも今がちょうどいい時期だったなと思います。

集中力の勘違い

〜それでは、腱鞘炎や身体の痛みが理由で受講されたわけではないのですね。セミナーを受講していかがでしたか
まさに「目からウロコ」でしたね。自分の身体のことは案外、知らないものだと気がつきました。
また、セミナーの中では印象的だったのは「包括的注意力」でした。アンサンブルしている時の注意の向け方を考えれば当たり前なのですが、実際に言われてみると独奏演奏では意識していませんでした。一般的には集中力がある、とは「演奏だけ集中する」ことと思われていますが、集中しすぎていることが本番でミスに繋がっていることに気がつきました。自分が思っていたより「一生懸命弾く」必要はなかったのですね。そして身体とギターとの関係など、いろいろなバランスに注意を向けるようになりました。

「才能を100%引き出す」って?

〜セミナーの後のプライベートアドバイスを受けてみていかがでしたか
身体のバランスがうまく取れている時は指が軽やかに動いて「自分ってこんなにうまく弾けるんだ」とびっくりしますね(笑)大変だなあ、と思っていた曲も楽に弾ける。
「才能を100%引き出す」ということの意味を実感しました。
バラトレのアドバイスを受けると、自分への見方が変わりました。以前は限界点や「こうやっているはず」「こうしなければいけない」と決めつけていたことに気がつき、演奏や自分の能力に対して見方が変わりました。今までは「できなかった理由」ばかり探して繰り返し練習していたのですが、「できた理由」を探すようになりました。これは生徒さんに教える時にも役立っています。
一人で練習している時よりアドバイスしてもらうと違う自分を客観的に観察できます。とても有効な方法だと言えますね。

練習時間の短縮

〜この経験をどのように生かしていきますか
演奏力がそれなりのレベルになると、ややもすると満足してしまうものです。でも40歳代になると、もっと演奏や人生に覚悟が必要になってきます。年齢とともに仕事や雑事が増え練習時間が減りがちになります。でも練習が減ってヘタになることは許されません。このボディーマッピングという方法を使えば繰り返し練習が減り、少ない時間でも効果を上げることができそうです。
また、この経験は生徒さんを教える上で「上達する」ことを伝えやすくなりますね。

どうもありがとうございました。これからも音楽家として益々のご活躍を楽しみにしております。

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