ギターを弾くと
手や手首、腕に痛みがある
なんか指が変だな〜と感じている方
腱鞘炎(けんしょうえん)になったらどうしようと心配な方
に参考にしていただけると嬉しいです。
腱鞘炎(けんしょうえん)とはどんな症状か
どんな人がなりやすいのか
腱鞘炎になるメカニズム
腱鞘炎にならないためにはどんなことに注意するか
をわかりやすくお話しいたします。
腱鞘炎の症状は
まず、ギターを弾いた後、指、手首、腕に痛みがある
熱を持っていたり、痛みがある場合はまず腱鞘炎を疑ってください。
また痛みがなくてもギターの弦を弾こうとすると指が勝手に握る方向に巻き込んでいく。
動かすと、ある時点でパッキンとひっかかるところがある。
弦を弾こうとすると指が突っ張ってしまい曲がらない。
右手が弦を空振りするようになった。
これらの場合も、すでにまずい状態にはなっています。
どんな人がなるのか
ではどんな人がなりやすいのでしょうか。
ギターの練習をしすぎたから、と思いやすいのですが、練習時間と腱鞘炎になる確率は一致していない、と感じます。
1日15分しか練習しなくても腱鞘炎になる人もいます。
一方、何時間も練習しても何のトラブルもない人もいます。
ギターを始めたばかりの初心者でもなる可能性があります。
反対に30年弾いているベテランさんでも、腱鞘炎なるとは限りません。
他の人と同じように練習しているのに腱鞘炎になってしまうと、生まれつき指が弱いのではないか、ギターの才能がないのでは、と悩みますね。
でも、ギターの上手さと腱鞘炎は関係ありません。
私が観察している限りでは、身体に力を入れる習慣、腕や指に力を入れるクセのある人がなりやすいです。
腱鞘炎になるメカニズム
どうして腱鞘炎になるのでしょうか?
例えば右手でギターの弦を弾くことを考えてみましょう。
指を動かす筋肉は前腕の中にあります。
指を曲げるための筋肉と伸ばすための筋肉があります。
筋肉の先端は腱、つまりスジになっていて各関節についていて指を動かしています。
「弦を弾け」という命令をすると、脳は曲げる方、つまり腕の内側に縮める方の筋肉に命令を出します。
指を動かす筋肉は前腕の中にあります。
筋肉が縮まることによって関節が内側に曲がるのですね。
このとき、反対の動き、指を反らす動きの筋肉も前腕の中にあります。
指を反らす方の筋肉は柔らかく伸びないと、曲げる方向に動きにくくなるのがわかりますか?
そして「弾き終わった」ということを認識すると筋肉の縮みは終わり、もとの状態にもどります。
ところが、ギターの弦を弾くには力を入れる、大きく弾くのには力が必要、と思っていると、弦を弾く前から腕や指に力を入れていませんか?
また、弾き終わった後もそのまま力が入っていませんか?
力を入れた時、縮む方の筋肉だけに力を入れる、なんてことができますか?
おそらく腕や指全体に力を入れていることでしょう。
その状態だと、柔らかく伸びなければいけない筋肉も縮んでしまっています。
それでは曲げる方向とは反対の力が加わり、指を曲げるのが困難になり、さらに力をいれたくなります。
曲げる方の筋肉、伸ばす方の筋肉を同時に縮ませると、当然、腱に負担がかかります。
腱は何箇所かにある、腱鞘という筒状の中を通っています。
この腱鞘と腱に負荷がかかり炎症を起こすことを腱鞘炎と言います。
炎症を起こしていなくても、このようなクセのある方は指が思うようにコントロールしにくくなっていて、空振りしたり、突っ張ったりしてしまうのです。
そのまま続けていると炎症も起こしやすいですね。
ギターを演奏するための力は、皆さんが考えている力量よりはるかに小さいのです。
左右の指の使い方の見直しも大切です。
どのようにコントロールするかは、また別なブログでご紹介しますね。
腱鞘炎にならないためには脱力?
さて、それではどうしたら腱鞘炎を予防できるでしょうか?
“脱力して弾けばいい”ですね。
先生から
「指の力を抜いて」
「手首を脱力させて」
とよく言われませんか?
一瞬はできますが、また力が入りますね。
脱力は簡単にはできないのです。
脱力ではなく、どうして力が入ってしまうのか、そこを改善した方が確実ですね。
身体全体に注目
力が入ってしまう1番の原因は、身体全体のバランスが崩れているからです。
わかりやすい例えでは、バランスを崩して転びそうになったとき、身体に力が入り腕が硬直した経験はありませんか?
そんな状態がギターを弾いている時におきているのです。
ギターを弾くために座っている時、自分ではわからなくてもバランスを崩している時があるのです。
バランスが崩れていると身体のあちこちに力を入れてしまいます。
今、座っているあなた、肩の力を抜いてみてください。
抜けましたか?
ということは力を入れていたのです。
座っているのに肩に力は入りませんね。
「バランスよく座る」これが最も簡単で、いつでもどこでもタダで腱鞘炎を防ぐ方法です。
身体全体のバランスをいつも気にかけながらギターの練習をする、これこそが腱鞘炎を防止する方法です。
そして、結果、無駄な力が入らずギターも上達します。
いい考えだと思いませんか?
バランスよく座ってギターを演奏するためのワークショップもご用意していますので、是非一緒に練習してみませんか?
バラトレ ワークショップや「痛くならない弾き方セミナー」にご参加いただき体験していただけると、さらにわかりやすいでしょう。
まとめ
身体に負担をかけずにギターを上達したい、みんなの希望ですね。
そのためには、身体全体のバランスに気を配り、無駄な力が入らないようにすること。
そのことによって腱鞘炎が予防できるだけでなく、ギターも上達します。
バランスよく座る、コツがつかむ早道は「バラトレ ワークショップ」で体験してみることをおすすめします。
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最後までお読みくださりありがとうございました。
ギターを弾くと指が痛い人は危険!その1、もお読みいただけるとさらにわかりやすくなります。
身体のことを学びながらギターテクニックを上達させたい方は、井桁典子ギター教室をご覧ください。
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