音楽家へのインタビュー 音楽とからだ

幼児教育士・ピアノ講師 鍋島沙樹さん
アメリカ・アリゾナ州で幼児教育に携わっている鍋島沙樹さんに、自らの音楽練習の体験を語っていただきました。

交通事故の後遺症をきっかけにギターやピアノの練習方法を考え直し、バラトレを体験していただくことに。

ご自分のボディーワークの経験も生かし、日々、積極的に身体の使い方の研究をかさねています。

鍋島沙樹さん プロフィール

アリゾナ州フェニックス市在住、熊本県出身。
米国ネブラスカ州ヘイスティングス大学でピアノ教授法学士号取得後、インディアナ州ヴァルパライソ大学で神学修士号取得。
幼児音楽教育プログラムMusikgarten認定教師。2005年以来幼児教育に携わりながらピアノ講師としての活動を続けている。

目次


アメリカへ、
幼児教育

〜鍋島さんの音楽経歴を教えていただけますか?

小学生の頃から習っていたピアノと得意の英語を生かして米国の大学に進学しました。
卒業後、幼児音楽に携わり子供たちと一緒に歌う時に便利なアコースティックギターを始めました。

2016年に趣味でクラシックギターを始め、ここ2年ほどはギターアンサンブルにも参加しています。

 


ギター練習 脱力に悩む

〜以前の音楽活動にはどんな悩み、疑問がありましたか

ピアノは楽譜を見てすぐ曲に仕上げるのが苦手で、リサイタル用の曲の暗譜には長い時間を費やしていました。
いわゆる指の動きを覚え込ませる繰り返し練習をしていました。

ギターの練習では楽器と身体が一体化するフォーム探しと慣れない動作の繰り返しで、腕や肩がこわばり、脱力法に試行錯誤していました。

また、仕事と私生活のバランスを保ち、限られた気力と時間の中で、練習時間をどのように確保するか悩んでいました。


交通事故の後遺症から

〜いつ、どんなきっかけでバラトレに興味を持ちましたか

2018年の春に交通事故にあいました。赤信号で停車中、追突され右側の首と右肘に後遺症が出ました。
それは以前からギターを弾いていると違和感があった部分でもありました。

その夏は整骨院に通ったり、身体に負担のかからないギター練習法などをインターネットで検索していました。
演奏家のための身体のストレッチやボディーマッピングetc.

その中で井桁先生のバラトレワークショップの情報にたどり着きました。


オンラインレッスンで

〜では随分前から知っていてくださったのですね。

バラトレのことは知っていましたが日本に帰って受講するのは難しく諦めていました。
ところが2020年にコロナウイルス感染拡大の影響で、井桁先生の「痛くならない弾き方1Dayセミナー」「音楽家ならだれでも知っておきたいことセミナー」オンラインで開催されることになり、早速受講申請しました。

その後はさらにギター演奏についての練習方法を詳しく知りたくなり、井桁先生の個人レッスンをオンラインで受けて、ギターの基礎の動きをチェックしてもらいました。


日常動作とボディーマッピング

〜鍋島さんにお会いできたのはコロナ禍のお陰だったのですね。セミナーを受講した時の第一印象は?

印象的だったのは、ただ楽器の練習するのではなく、自分の身体の使い方が正しいかどうか正しい情報を知って修正するボディーマッピングをすること。

日常生活で正しい動きを習得することが音楽演奏の向上に繋がるという発想。画期的でした。
これなら練習時間の短縮にもつながります。

演奏中だけでなく日常でも重力に対応して身体がどのようにバランスを保って動くのか意識、観察すること。

日常での意識を変えることによって、演奏中の自分を色んな観点から観察する第一歩になりました。


肩こりが解消

〜実際にバラトレをしてどのように変わりましたか?

呼吸は腕などの動きと連動していることを知って演奏中だけでなく、日常の動作でも身体が自然と整ってくるようになりました。
その結果、慢性的な首の硬直感と肩こりが解消されました。

〜それはよかったですね。楽器練習は変わりましたか?

演奏テクニックのことばかりでなく身体全体のバランスをとりながら演奏するトレーニング。
これがバラトレ、の意味ですよね。

今までの音楽練習とは違い、バラトレによって視野が広がり心も考え方も変わりました。

日々のギター練習メニューも計画的になり大きく変わりました。

楽器を使っての練習は、忙しい週の平日は、身体が一番リフレッシュしている朝の起床後数分間の基礎練習、夜はどんなに疲れていてもレパートリー曲の維持練習を数分間。
そして時間に余裕のある週末は、音楽的目標を踏まえた練習を10分単位で実行、というアプローチを実践しています。

計画的に練習することによって、気持ちにもゆとりがでてきました。


自分らしい音楽、演奏を実現

〜練習だけでなく日常や気持ちにも変化があったのですね。
その成果をこれからの活動にどのように生かしていけますか?

今までは単に繰り返し練習法をして、身体に覚え込ませていました。

そんな練習方法から卒業して、楽器の演奏技術だけに集中せずに、自分の身体の状態や、部屋の環境など全てに注意をむけながら(包括的注意力)練習しています。

舞台での成功にとらわれず、本番演奏もバラトレの延長として捉え、いつどこでも自分らしい音楽を実現化することに目標設定を変えました。

〜それは大きな変化でしたね。これからも楽しみですね。

音楽演奏は全ての人が楽しめる芸術的なコミュニケーションです。
音楽の喜びをたくさんの人に広めるために、自分らしい音色を追求していきます。

そのためにクラシックギターのレパートリーを充実させていくのが、今の一番の目標です。

生徒さんにピアノを教える上でも役に立てたいです。
小中学生という心身共に発達中の大切な時期に、音楽の世界を発見するお手伝いをしているので、バラトレの知識と経験を積極的に取り入れた指導を目指していこうと思います。

〜お子さんたちにも伝えていただけると嬉しいです!
たくさんの成果を聞かせてくださりありがとうございました。

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